Archives 3月 2018

15時間、372.5kmの旅の終わり

岩見沢駅で小樽行き快速『いしかりライナー』に乗り換えます。発車時刻19:40まで少し時間があったので改札を出て駅構内を散策。岩見沢駅の駅舎は最近完成したもので、この駅には自動改札機がありました。

留萌本線に乗れなかった悔しさもあり、別のローカル線で札幌に帰りたいところ・・。みどりの窓口にある時刻表を見てみると、函館本線を走る『いしかりライナー』に乗らなくても、室蘭本線と千歳線を経由しても札幌に戻れることが判明しました。

19:38室蘭本線/苫小牧行きの普通列車に乗車しました。函館本線は本数が多く、先の快速『いしかりライナー』に乗れば20:19には札幌に到着します。しかし、普段なかなか乗ることのできない北海道のローカル線、乗れる限りは乗ってみたいという気持ちで室蘭本線ルートを選択しました。2両編成の気動車には30人ほど乗っており、地元の高校生も多くいたので、札沼線の末端区間ほどではないようです。外は真っ暗で車窓からは何も見えません。街灯や車のライトがほとんど見えないことから、札沼線のような景色を想像しながら窓の外を見ていました。

20:55 苫小牧駅の1つ手前、沼ノ端駅で降車。苫小牧駅まで行ってしまうと、次の札幌行きの列車まで1時間近く待たなければならず、この駅で千歳線/札幌行き普通列車に乗り換えます。

乗り換え時間は3分。3両編成の電車の1両目に乗りましたが車内は5人ほどしかいませんでした。帰宅ラッシュとは逆方向なのもあるでしょう、

21:34 北広島駅に到着。2分後に本日最後の列車となる札幌行きの快速『エアポートライナー(213号)』に乗り換えました。新千歳空港から札幌へ向かうビジネスマンや旅行客が多く乗車しており、かろうじて座席に座ることができました。

21:55 ようやく札幌駅に戻ってきました。6:58に出発してから14時間57分、372.5kmの旅。普通に切符を買うと6,260円かかります。東京から仙台までの距離よりも長いです。この距離を青春18きっぷ1回分(2,370円)で乗ったのですから、十分に元は取れました。1月の北海道は観光には不向きですが、私はぜひ地元ローカル線を乗る鉄旅をおすすめします。

旭川で弟に会い、留萌を目指す(が・・)

旭川駅の改札口で弟と会い、改札からすぐ目の前にあるイオンモール旭川駅前で昼食を食べることに。4階にあるレストラン街で、北海道らしくてリーズナブルな『北海道そば 天ぷら 豊ろ香』という店に入りました。旭川から北西へ約30kmのところにある幌加内(ほろかない)町で栽培されたそば粉を使用しているようで、いつも食べているそばとは違った食感が印象的でした。

札幌から鶴沼、鶴沼から旭川までのルートは綿密に考えていましたが、旭川から札幌への帰りはあまり考えていませんでした。そこで、弟が持っていたJR北海道のポケット時刻表で帰りの予定を立てることに。路線図を眺めていると、札沼線の末端区間の次ぐらいに採算の悪い留萌本線が目につきました。留萌本線も行くことのない路線ですが、今から行けば留萌本線を往復できることが判明。せっかくなので行ってみることにします。

1階のスーパーでお土産を買い、15:14に出発する留萌行きの普通列車に乗車。弟は15:37発の北見行き快速「きたみ」に乗って網走へ帰りました。

函館本線の区間である旭川から深川まではお客さんが多く、1両編成の気動車の座席はほとんど埋まっていましたが、15:44深川駅で半分くらいのお客さんが降りていきました。深川駅でしばらく停車。発車予定は16:8ですが、時間を過ぎても列車は動きません。発車時刻から5分ほどして「ただいま石狩沼田駅で除雪車が故障しています。この列車は除雪車が深川駅に到着してから発車します。」とアナウンスがありました。発車が1時間遅れても留萌まで往復できるので、私は列車の中で待つことにしました。

16:50ごろ除雪車が深川駅に到着。「これで留萌線を往復できるぞ!」と期待するも、列車は動く気配がありません。「石狩沼田駅でポイント故障が発生し、復旧作業を行っています。もうしばらくお待ちください」とアナウンスがありました。遅れが1時間以上になったため、留萌線の終点、留萌駅まで行くのは断念し、途中の駅で折り返そうと考えました。

しかし、17:20ごろ運転手から「復旧作業に時間がかかるため、この列車は運休となります。タクシーでの振替輸送を行いますので、お客様は列車を降りて駅舎までお越しください」とアナウンスがありました。駅舎では駅員さんが「留萌駅まで行かれるお客様はいらっしゃいませんか?」「お客様はどこまで向かわれますか?」とタクシーの手配に奔走していました。乗客は地元の人とそうでない人が半分ずついましたが、行き先は留萌だけでなく、途中の石狩沼田駅や北一已駅(きたいっちゃん)など多彩でした。

私はタクシーではなく列車に乗りたいので、駅員さんに「運転再開はいつごろになりますか?」と尋ねると、「18時から20時ぐらいだと思いますが保証はできません」と・・。留萌線の列車本数の少なさと、残された時間を考えると、留萌本線に乗車すると今日中に札幌に戻れなくなる可能性が高いと感じ、18:01発の岩見沢行き普通列車に乗ることにしました。

岩見沢行きの列車は3両編成で、座席は3分の1くらい埋まっていました。ふとスマホで留萌本線の状況を確認したところ、終日運休になっており、あの時無理に行かなくてよかったと思いました。列車は19:15、定刻通り岩見沢駅に到着。札幌まであと少しです。

鶴沼から奈井江、そして旭川へ

鶴沼駅を出発する列車を見送ってから、ホームを降りて駅舎の中に入りました。駅舎はinterurban6304さんの動画を見たときとほぼ同じです。

鶴沼駅へ来た目的はinterurban6304さんの動画のように、駅やホームの様子を実況しながら撮影すること。昨年の夏、上司に「お前もこの駅で駅ノートに書き込む動画を撮ってきたら」と言われたことを、ついに実行します。

持参したカメラで動画を撮影し、interurban6304さんが置かれた駅ノートにも書き込みをしました。動画を確認すると、カメラに入れていたSDカードの容量が足りず、最後まで撮影できていませんでした。スマホでテイク2を撮影。すでに駅ノートに私の書き込みをしていたので、テイク2ではここに来るまでと、これからのルートを追記しました。

そうこうしているうちに時間はあっという間に過ぎ、鶴沼駅を出発したのが10:50でした。旭川行きの列車が奈井江駅を出発するのが11:58で、それまでに8kmくらい移動しなければいけません。普通に歩いていると間に合わないので『ランニング3分+徒歩5分』のセットを繰り返しながら奈井江駅へ向かいます。ヒッチハイクという手段も考えましたが、道路を走っている車の多くはトラックだったので諦めました。急いでいたので鶴沼駅から奈井江駅までの風景を撮影する余裕はありませんでしたが、とにかく真っ白な平原が広がっていました。
(※interurban6304さんが奈井江駅から鶴沼駅まで車で行ったときの車載動画があるので、興味のある方は検索してみて下さい。私が行った向きと季節は逆ですが、雰囲気は伝わると思います。)

11:55奈井江駅に到着。無事に旭川行き3両編成の電車に乗車しました。私が乗った2両目の車両には地元の中高生や親子連れが10人ほどいました。函館本線は札幌と旭川を結んでおり、その間には岩見沢、美唄、滝川、砂川、深川といった都市があるので、札沼線の末端区間みたいに乗降者がいない・・なんてことはないでしょう。定刻通り、12:58に旭川駅に到着しました。

渾身の動画URL置いておきます。
JR札沼線 鶴沼駅の訪問記
https://www.youtube.com/watch?v=xkMB53sPI64

新十津川から鶴沼へ

新十津川駅は日本一終電が早いことで有名ですが、近くの幼稚園児が出迎えと見送りをしてくれることでも有名です。この日も幼稚園児がホームで列車を出迎えてくれて、列車を降りたお客さんに手書きのメッセージカードを配っていました。

私もメッセージカードをもらった後、駅舎の中に入りましたが、壁には札沼線や新十津川駅に関する写真や新聞記事が多く貼られていました。JR北海道は赤字ローカル線を多く抱え存続の危機に立たされています。札沼線の末端区間はJR北海道の路線中で最も採算が悪く、いつ廃線になってもおかしくない状況です。そのような状況でも、1日でも長く札沼線と新十津川駅を残そうという地元の気持ちが伝わってきました。

折り返し列車が発車するまであまり時間ないので、駅舎を出て、駅前の街並みを見ました。新十津川駅のある新十津川村の人口は約6,700人とそれほど小さな町ではありませんが、人通りも、車も少なくて寂しかったです。

ふと、昨年6月に札幌の会社で研修を受けたときに、担当の方から聞いた「新十津川で造られている『金滴』という日本酒はおいしい」という話を思い出しました。私が住んでいる兵庫県も灘や西宮、伊丹など酒造で有名なところがいくつもあります。特に伊丹市は駅周辺の『伊丹郷町』を中心に、酒造業で栄えた昔の風情を残しながら、新しいランドマークにようという動きがあります。(詳しくは伊丹郷町LIFEというサイトをご覧下さい)伊丹市は酒造や古い建物などをうまく活用していますが、新十津川村も酒造をもっとアピールしていけば、住む人や観光客が増えるのでは?と思うと同時に、駅前の寂しい雰囲気から、過疎化と少子高齢化でそのような余裕がないのも・・と感じました。

9:40、日本一早い終電が新十津川駅を出発。幼稚園児たちも元気に手を振って私たちを見送ってくれました。石狩当別行きの列車は9:56に鶴沼駅到着。この駅で下車したのは私だけでした。