新十津川から鶴沼へ
新十津川駅は日本一終電が早いことで有名ですが、近くの幼稚園児が出迎えと見送りをしてくれることでも有名です。この日も幼稚園児がホームで列車を出迎えてくれて、列車を降りたお客さんに手書きのメッセージカードを配っていました。
私もメッセージカードをもらった後、駅舎の中に入りましたが、壁には札沼線や新十津川駅に関する写真や新聞記事が多く貼られていました。JR北海道は赤字ローカル線を多く抱え存続の危機に立たされています。札沼線の末端区間はJR北海道の路線中で最も採算が悪く、いつ廃線になってもおかしくない状況です。そのような状況でも、1日でも長く札沼線と新十津川駅を残そうという地元の気持ちが伝わってきました。
折り返し列車が発車するまであまり時間ないので、駅舎を出て、駅前の街並みを見ました。新十津川駅のある新十津川村の人口は約6,700人とそれほど小さな町ではありませんが、人通りも、車も少なくて寂しかったです。
ふと、昨年6月に札幌の会社で研修を受けたときに、担当の方から聞いた「新十津川で造られている『金滴』という日本酒はおいしい」という話を思い出しました。私が住んでいる兵庫県も灘や西宮、伊丹など酒造で有名なところがいくつもあります。特に伊丹市は駅周辺の『伊丹郷町』を中心に、酒造業で栄えた昔の風情を残しながら、新しいランドマークにようという動きがあります。(詳しくは伊丹郷町LIFEというサイトをご覧下さい)伊丹市は酒造や古い建物などをうまく活用していますが、新十津川村も酒造をもっとアピールしていけば、住む人や観光客が増えるのでは?と思うと同時に、駅前の寂しい雰囲気から、過疎化と少子高齢化でそのような余裕がないのも・・と感じました。
9:40、日本一早い終電が新十津川駅を出発。幼稚園児たちも元気に手を振って私たちを見送ってくれました。石狩当別行きの列車は9:56に鶴沼駅到着。この駅で下車したのは私だけでした。